2017年7月6日木曜日

江戸長崎日記 2017年 初夏

今年初めての長崎行き。江戸長崎トンボ帰り、梅雨空カンケーなしの出たとこ勝負!


長崎市はヒツジ(釣り執事)の第二の故郷。

空港着は18時30分、借りたクルマでまずは東長崎地区の八郎川河口に行きました。

さすが九州の最西端付近、20時近くになっても、まだまだ明るい。

パパパっと竿を継いで投げ入れました。

気にかかるのは、道路に面した河口護岸の喧噪、そして頭上を通る国道の橋梁。

行き交うクルマの激しいこと!!! 大喧噪のなかの釣り。


それでも、いきなりブルっ。

川のなかは浅瀬なので、アタリが強烈です。

仕事終わり→飛行機→陽の灯りの残るなかでのキスゴ釣り、南西の釣り場ならでは。

すごく、しあわせなことをしてます。


ブルっ、ブルブル。

キスゴは、投げ入れれば掛かる状態でした。

「夜ギスたいね、込み潮に乗ってきて、川の奥深くまで入る。昔は手竿でも掛かった」

したたる汗を拭いながら、遠い高校時代を思いだしてるヒツジ。


水汲みバケツにしばらくキスゴを泳がせる。

戻れるキスゴは戻す、腹を上にするのはソク氷クーラーへ格納(おみやげ)

ヒツジとやってるキスゴスタイルです。

キスゴの産卵期間はとても長いので、そこそこの配慮は必要かと。


といった釣りも、この河口護岸では、せわしなくて仕方なく。

ひっきりなしにクルマが通るため、安全対策。ハザードランプ点灯の釣りなのでした。

ヒツジがいう「昔」は、滅多にクルマのこない、静かな大昔のこと。

国道の橋もなく、のどかな東シナ海の埋立て地、シーンとした橘湾の海原だったそう。

1970年代の後半、、、、、昭和は遠くなりましたねなにもかも。ヒツジさん。

雨が落ちてきたこともあり、夜ギスの部は終了。


長崎市街地へ入り、新大工町で馴染みになった居酒屋『笑幸』へ。

焼きアゴ出汁のスープに漬かる長崎おでんをいただく。

うまし! うまし! うまし!

店主は長く森下(東京都江東区)で飲食店を経営していた人で、長崎へUターン。

長崎なのに、新大橋や築地の話になる不思議なお店なのです(電話095-895-5577)

長崎ばってん、江戸べらぼう、、、あっ意味が違うか?


こちらは、『三八ラーメン』

長崎市民の〆めのお店のひとつらしいです、ソウルフードとヒツジ。

「これを喰わんば、来た気がせんけんね」

ちなみに三八とは、昭和38年創業とのことで、縁起のいい数字なのです。


明けて、梅雨空。

長崎港の出入り口をまたぐ女神大橋を渡りました。

長崎自動車道に直結するこの橋の完成で、長細い港湾の反対側まで一直線になりました。

市街地のあちこちで進む巨大な再開発、着々と出来てきている長崎新幹線、、、、。

埋め立てた入江と丘陵にぎっしり家の建つ独特な情緒のこの街にも、

変化を求める大都会の洗礼が訪れているようでした。


朝イチ最初は、長崎港湾口部の集落、神の島地区。

ひとつ高い所にカソリック教会、愛児園。

集落のほとんどが信者さんという長崎らしい漁村です。

かつては、長崎港の大波止との間に定期船が来ていたそうです。


その神の島の小島(陸続き)に建つ大きなマリア像。

長崎港に出入りする船舶の安全を見守っていました。

ふと東京湾の東京湾観音を思いだしたりしましたが、

はて、あの観音様はなぜ東京湾に背中を向けているのか?

江戸の疑問を長崎で問う?


ポツポツと雨が降ったり止んだり。

神の島の堤防から投げてみました。

まわりは、カゴを投げてのアジ狙いの方々。

大きな船の通る関係で、ズズンと深い海。

前方右手は、長崎造船所の香焼島ドッグ。

戦艦武蔵が建造されたと言われる造船所です。

産業遺産には事欠かない西九州ですが、とりわけ福岡と長崎は別格!


ドン!っとアタってきた美しいベラ。

よかね、うれしか。

しかし、このあとオモリごとの根がかりが2回。つまり力糸を結ぶこと2回。

雨足も強くなってきたので嫌気がさしてきた私は根性なし。

東側の空のほうが明るいのでソク移動することに。


再び、女神大橋を渡り、長崎半島の稜線を突き抜けて東長崎側へ。

運よく雨は落ちておらず、高台から橘湾を見下ろす。

特産の枇杷(茂木ビワ)の収穫は終わっていましたが、取り残しが点々と。

この光景が、長崎市近郊のキスゴ釣りだなあとヒツジがしみじみ。

沿岸の道を北側へ、島原半島寄りに進みました。


市境を超えて諫早市へ。

小さな河口に開けた江の浦の護岸にやってきました。

エギを投げている先客氏たちに気を遣い、少し離れた川側で竿を出す。

右手の遠くには、雲仙の山々がシルエットで浮かぶ。

昨年11月の末(2016年11月)雲仙でのキスゴ釣りの模様はこちらをコピペでどうぞ。↓

http://macobusa.blogspot.jp/2016/11/blog-post_27.html


ブルっときたあ。

長さはありませんが、ゴロっと体格のいいキスゴ。いい感じです。



江の浦の河岸からは、段々畑の丘陵。

平地の少ない長崎ならではの営農ぶりが伺えます。

左手の川の奥は、僅かながら川の扇状地があって米作りが可能。

飯盛町、すなわち、メシを盛ることが出来る、とても豊かな集落だそうです。

銀シャリがとても貴重だった時代のお噺とか。



ヒツジがキスゴを狙うのにつねにポイントの目安にしているのが、山と川。

栄養分のある土と水が、海水との交わりでエサとなる多くのプランクトンを生む。

そんな場所を求めて、キスゴは産卵にやってくる。

孵化したキスゴに良質な動物性プランクトンがないと子育てが成立しないからとか。

ヒツジは、砂浜を走りながら、山と川ばかり見ている変わったオッサンなのです。


キスゴは、ポツポツとはでしたが、心地いいアタリをくれました。

長崎の東長崎エリア、橘湾は身近かにしてじゅうぶんキスゴの楽しめる理想の海岸線。

雨雲はすっかり途切れてくれて淡い光がさしてくる。

ああ、しあわせだ、と思ったのものの、お昼が近い。

帰りの飛行機時間が近づいてきてました。


海からせりあげる傾斜のあちこちに、紫陽花が点々と咲く。

長崎では、おたくさ、と呼ばれて、市の花なのです。

枇杷の実る丘陵、雨の雫を落とす紫陽花の群落、、、あああ、今日も雨に煙る港町。

ヒツジによれば、この光景と情感に浸る時が、キスゴ釣りの真骨頂とか。


空港近くの、大村市内で食べた焼きアゴ出汁うどん。

うまし! うまし! うまし!

シンプルですが、これも長崎の味と言えるでしょうね。

うどんも、五島うどんですとより本格派ですが、こちらはフツーの福岡系のうどん。

でも、うまか、でした。おいしかです。

ということで、おみやげのキスゴを持ち、短い滞在を惜しみながら空港へ。

また来っけんね、長崎。


離陸直後でした。

左手眼下に現れた険しい現実に思わず釘付けになりました。

ギロチンで閉め切られた干拓地と有明海との明暗、光と影、いや1本の線引きの生命。

水門を常時、開ける、開けない、開ける、開けない、、、大きな裁判沙汰の真実の様を、

目の当たりにさせられるとさすがに言葉を失い、ただただ、見つめるだけでした。

どげんすっと? どがんもならん! そして、聞こえた、最初から解っとったこと!

この光景はほんの一瞬で、あっという間に、羽田に帰って来たとです。

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