2017年4月28日金曜日

水深1000mのカレイを食す!!!

いきなりトロ箱が届いた。ふたを開けると、なんと巨大なカレイがドーンと!!!


全長54センチ、送り主は浦辺利広さん。

岩手県山田町で、釣り船・神栄丸を操舵しています。

このカレイは、漁師をされている友人のおっそわけの、さらにおっそわけとか。

一帯では、セイダガレイと呼ばれており、産卵の季節にだけ浅場での網に掛かるもの。

標準和名はサメガレイと呼ばれて、なんと水深1000mにも生息する深海魚なのです。

いやはや、物凄いカレイが、クロネコのクール便でやってきたのです。


サメガレイの水揚げされた岩手県山田港。

黒潮と親潮のぶつかり合う三陸海岸のド真ん中に位置するリアス式地形の内湾です。

山田湾はタコ壷のような形状で、写真の、右手がその湾口部。

ここを出ると、雄大な太平洋の蒼海が果てしなく広がる、世界有数の漁場。

この北の海に潜む深海型カレイのサメガレイ、さっそくいただきました。

↓ ↓ ↓ なお今年の1月末に訪れたご当地での船釣りの様子はこちらをどうぞ↓ ↓ ↓

http://macobusa.blogspot.jp/2017/02/blog-post.html


浦辺さんから伺った内容をヒツジ(釣り執事)がメモ。

それを読みながら、調理をすすめていきました。

ゴツゴツした表皮が顔面付近までを覆う。

目は可愛くて、愛嬌のある表情、、、ま、カレイの顔はみんな可愛いですけどね。


裏側から見える歯と歯茎は、まるで恐竜のよう?

暗い海の底で、獲物を捉えるのに適した形状であることが解ります。

カレイの仲間のなかで、オオクチガレイの部類に入るとか。


表皮の手触りは、まるでワニのよう(といってもワニを触ったことはありませんが)

骨が飛び出したような硬い棘が全体に生えており、ざらり、ゴツゴツしています。

これはサメ肌より強烈、丈夫な鎧を着用している印象であり、

天敵や水深に耐えるための装備なのでしょうかね。


よっこらせ! と裏返した状態で気がついたこと。

裏側にも、ざらりとした丈夫な表皮が覆っているのです。

その肌触りは、まるでアンコウのようであり、さすが深海魚だと実感。

この灰色の表皮をなんとか剥がすと、普通のカレイのような白い皮が現れました。

つまり二層、なんとも不思議なサメガレイ、ちなみにこの個体の獲れた水深は150mとか。

産卵だから、大陸棚を昇ってやってきたということですかね。


水シャワーをかけながら、小出刃でノメリをとっていきました。

とにかく、物凄いノメリの量。

身体の防護、水深を耐えるためのノメリ、緩衝剤ですね。

とれたノメリでシンクの排出口がなんども詰まってしまいました。

超深海カレイの体液に、脱帽と感動、果たしてどんな味が?


頭を落として、ワタを抜き、5枚おろしを目指します。

胃には、ほとんど内容物がなく、ヒトデのかけらが出てきた程度。

産卵の時なので、あまりエサを食べていなかったのかなと推察。


5枚おろしまで切り分けました。

魚が大きいので作業はしやすいのですが、表皮があまりにゴツイ。

ワニ皮、ヨロイを切り裂くような出刃があれば便利ですかね。


こうして、表と裏で2枚づつ。

それぞれラップして保存しました。

ちなみに、たまたま運よくおっそ分けできた方は岩手県の紫波郡矢巾町の出身。

三陸の山田町から離れた内陸の人ですが、ふるさとの味を賞味いただけました。


私のほうは、5枚おろしの身をブツ切り。

醤油と出汁で溶いた小麦粉をまぶしてフリッターに。

ものの本によれば、このサメガレイは、深海かつ北洋系のカレイ。

フィッシュ&チップス、フィッシュバーガーのネタとして絶品であるとか。

ならば、さくっと揚げてしまいましょうという考えでした。


ブツ切りの身をできるだけ大きくとって、ジュっと揚げる。

表面がキツネ色になったら出来上がり。

浦辺さんがおっしゃるには、ギンダラに似た食感ということでしたが、、、。


なんとも、不思議な食感と味わい、コク、うまみ、きめ細やかさ。

とても柔らかい、柔らかいけど口のなかで弾む、とても上品な脂分、驚きました。

うまし! うまし! うまし! 

いや一語で言えば、切り身で食べて、これはカレイだと判断するのが難しい不思議。

種類の多いカレイですからいろんな味があるのでしょうけれど、珍味の極みなのでした。

深海魚なので、釣るのは難しいそうですが、ご興味のある方はこちらへご連絡を。↓ ↓

岩手県山田町 船越 神栄丸 浦辺利広さん 携帯090-3124-9755

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