2017年1月22日日曜日

えっ? 見上げると、桜坂

今日は日曜日。お見舞いで熱海へ。桜が咲いていました。熱海桜と呼ぶそうです。


病院を辞して、坂道を、駅へ向かって昇っていたところ。

あ、咲いてる、ほんとに咲くんだ、咲いてるんだとボウ然、見とれました。

枝を揺らす小鳥はハチドリ、花芯の蜜を夢中に吸ってました。

相模湾は折しもの季節風で、緑色の海原にたくさんの白ウサギたちが飛ぶ。

でも、桜は咲く、桜の咲く坂道がある、1月で満開の桜坂?

気がつくと熱海駅でした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<宣伝>『投げ釣り列島縦断』(メディアボーイ社刊・税込み1700円)
投げ釣りだから出逢う。人と魚、人と人が、水辺・岸辺を共有して暮らすための視点で編集。つねに新しい発見や感動と、魚への愛を忘れないあなたに読んでいただきたい一冊。書店様、釣具店様で購入可能です。またインターネットでもお求めになれます。
「投げ釣り列島縦断」で検索ください。お問い合わせ メディアボーイ社03-3576-4051
こちらへもクリック http://www.mediaboy.co.jp/c2/index.html





2017年1月13日金曜日

初釣りは三崎港、こうなった!!!

石川県から帰京したヒツジをともない、三浦半島の三崎港での、初釣りなのでした。


三浦へ行くとなると、ナオキさんのエサ店。

ところがやってない、店前を通過したのちの電話で解ったのは、臨時休店。

伊予魂を燃やし、おそらく年末年始と成人式連休は、不眠不休だったのでしょう。

一個人事業主の事業の限界性能を痛感してきた昨今を共感しつつも、あとは気合い。

深く感じ入りながら三崎港へ向かっていけば、埠頭の集団、音楽隊などが居たのでした。

『これからハワイ沖へ海洋実習です』

とか聞かされて、思いだしたのは、16年前の、愛媛県宇和島市のえひめ丸事件のこと。

こんな少年たちが、乗っていたのか!!!

私のムスコたちより、遥かに、若いではないですか!!!

ムスコたち、教員のみなさんを送り出す、家族の人たちの姿を眺めながら。

泪が出てきた。

不可抗力的な、理解の出来ぬ理不尽な危機さえ、かわさなければの、今日なのでしょう。

なにとぞの、全員の、無事のご帰還を、お願い申し上げまする。


実習船のおしりには、湘南丸と書かれてありました。神奈川県の船ですからね。

三崎港を出て行く湘南丸、デッキに立っていた少年たちには、目一杯の手を振りました。

向こうも目一杯振りかえしてくるものだから、こっちは、もっと力一杯に振りました。

あたり前やあ、あんたらのママより歳いってるからね!!!

強烈な南風が吹いてきていました。

これから、黒潮の起伏を超えていく湘南丸は、少年たちに、いきなり過酷な洗礼かも。

でも行く道を決めた若者たちには、行かねばならぬ道なのかもと。

自他ともに認知される船下戸のヒツジ(釣り執事)は、ポツリと言いました。

「こんど、いま、三代目の小笠原丸に乗ったら、名物のビフテキを喰ってやる!」

初代船の乗船では、死体同様だった男が、出航するシーンに出会えた、しあわせ、かな?

私は確信できる、いま去り行く湘南丸で、ヒツジは、体内コマセ係なら、大活躍できる! 

このたびの年末年初、ヒツジの帰省で持ち帰ってきたオモリ(詳細はブログ前回を)

ヒツジが、長崎市内での高校時代に使っていたオモリが、金沢市内の実家にありました。

実家の二階の床が、抜けるほどあるみたいなので、これから一生分は、あるのか?

ていうか、オッサン、どれだけ、甘やかされて、釣りをしてきたのだ?

自称他称・苦労人の私には、まあったく、考えられないよ。

こういう、見たことのない、年季の入った、天ビンを投げ入れてみました次第。


アタリなし。まあったく、魚たちからの反応は、なし。

しかも、オモリ上部にプラスチックのついた天ビンは、まあったく、飛ばない。逆風だし

そこで、仕掛けを投げ入れたまま、鳥たちへの新年の餅まき。

写真右手の黄色い帯は、写真の加工の仕方における意味不明のビーム光線なのでしょう。

なにかを、伝えようとすれば、諸々の、弊害は起るというもんです。誰かヘルプ。

とにかく、みんな食べてね、喰って、生き延びてね!!!!! 生き残るのだ!!!

撒いたのは、賞味期限ギリギリの、人間の食品の数々、、、新年恒例の、でした。

トリたちよ、食って、食って、喰いまくって、生き延びるのだ!!! 

トンビ、カモメ、カラス、ウミウ、ハト、スズメ、狂喜乱舞が展開される、三崎港。

ところが、今年は、トンデモナイことが起きてしまった!


バーンと、立てかけておいた竿が倒れた。

その先の海上に、墜落して、もがく、トンビの姿。

投げ入れたままのラインに、トンビが当たってしまったらしいのです。

どえりゃあことになった。まず私が竿を持ち、ヒツジが自身の竿で仕掛け側を拾う。

ごめん、ごめん、ごめんなさい、待っててね、なんとか、するから、、、祈るような。

ラインの仕掛け側を、どうにか切ることで、トンビからラインが抜けてくれました。

よかった、なんということをしてしまい、でも、よかった。再び泪が出ました。

写真は、解放されて舞い上がったトンビと仲間たちに、さらなるお詫びをこめて。

詫びながらのこころをこめて、餅まきをより激しく行う、ヒツジの姿です。

2017年初釣りでの教訓。

1、鳥たちへ餅まきをする場合は、仕掛けを必ず上げておく。

2、トンビなどの猛禽類は、水が苦手。水上に墜落すると溺れかかるので、早急救助を。

3、鳥たちが食べ残したエサは、ホウキなどで回収して、持ち帰るか、海の魚たちへ。


もろもろ解決し、で、釣りのほうと言えば。

エサだけは先っぽがすべて食べられて仕掛けが戻ってくる。

残ったエサをさわると、温かい南風とは裏腹に、ぞくっとするほど冷たい。

これは、あまり良くない海況だなと、私でも解るようにはなりました。

たまたま、1尾だけ口吻に掛かってきたのは、この子。

なるほどね、なるほどなるほど。

場所を換えることにしました。


新年、発見した三崎港での驚き。

伊豆の河津町から、河津桜が贈られて、移植されていた。

1月に、しっかり開花していた神奈川県の河津桜の姿、可憐、うつくしか。

初春や、、、です。

ま、ヒツジの下手打ちで、ピンボケ写真では致し方ないですけどね。


移動した先は、三崎港の北条湾。

南の強風も、ここまで奥まった場所では凌げる塩梅でした。

北条は、三崎港でも古い入江らしい、かつて三浦半島を支配していた北条氏に由来とか。

ところで、白雪姫(多用する竿)の赤く見えるのは、これも写真加工の問題らしい。

昨年以来、困った問題を引きずっているのです。


北条湾の魅力は、小さな河川の流れこんでいること。

ヒツジ曰く、南風をさけるだけでなく、マハゼが釣れる可能性が残されているとのこと。

三浦半島では、たいへん希少な川水であり、だから、古くから栄えていたのかも、です。

島嶼部、半島、川水はいろんな生命や農業など営みを活かすのですね。


ま、結果として、北条湾でも、なあんも反応なし。

戻ってくるエサはそのままで、さわると冷たい海の底を知るばかりなり。

竿と道具を片付けて、停めたクルマへ戻る道すがら。

ふと目にした赤い葉の低い草には、ちいさなアザミのような花が咲いていました。

河津桜だけでない、やはり、初春、芽吹きの春は近づいてはいるのです。

そう信じて。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

<宣伝>『投げ釣り列島縦断』(メディアボーイ社刊・税込み1700円)
投げ釣りだから出逢う。人と魚、人と人が、水辺・岸辺を共有して暮らすための視点で編集。つねに新しい発見や感動と、魚への愛を忘れないあなたに読んでいただきたい一冊。書店様、釣具店様で購入可能です。またインターネットでもお求めになれます。
「投げ釣り列島縦断」で検索ください。お問い合わせ メディアボーイ社03-3576-4051
こちらへもクリック http://www.mediaboy.co.jp/c2/index.html



2017年1月7日土曜日

石川県 能登島と七尾 流浪思索?

石川県はヒツジ(釣り執事)のふるさと。帰省に伴い1日だけ、能登島で釣りをしました。


しーんとしてます。

能登島の通(とうり)という漁港の深夜。

煌々と灯るライトは密漁対策ということです。

目白通り、練馬ICから関越道、上信越道、北陸道、そして能越道。

高速道路というのは、つくづく凄いワープチューブだと思うのですね。

東京から、能登半島の内浦にある漁港に、あっけないほど簡単に到達できてしまう。

島内の道には、中京、関西、山陽、関東のナンバーが夜通し走り回っています。

でも目指した場所には、たいへん運がよく、私らだけ。


電池ランタンを点けて投げ釣りを開始。

ケミカルライトの先には能登島にかかる2番目の橋(農道橋)の灯りが見えます。

通(とおり)は、その地名のとおり、潮の抜ける島と半島側が狭まる小さな瀬戸。

2012年の2月2日、大雪の降り続く晩から朝のこと。

私は、ここで4尾のキスを釣ることができました。

午前1時30分に2尾、午前8時30分に2尾の計4尾。

ひと晩中仕掛けをサビき続けていた結果なのですけれど、この4尾は私の自信と弾みになりました。30センチを超える降雪のなかでも、キスは釣れる。

寒ギス、雪ギス、雪中鱚とか、ヒツジは呼んでいます。

北陸は、雪が降ったほうが、ほっこりした感じで気温が高い。寒さを感じませんでした。

この日は雪がないので、キーンとした冷気が肌の露出した部分に沁みてきます。


此の度デビューの小型バーナー。

お湯があるということは、ありがたきかな。

冬の夜を過ごすためにいろんな用途で重宝しました。

沸騰した蒸気にかじかんだ指先をあててみたり。


湧かした湯でカップ味噌汁をつくり、栗おこわを食べる。

途中、小布施PA(上信越道)売店で購入した栗おこわ。

うまし!

だんだん楽しくなってきました。


やってしまった!!!

ヒツジの仕掛けです。能登島名物のウミケムシ。よく肥えて太っている!

この毛(剛毛・毒針)に触れたら一大事、自己責任、自己完結の世界だそうです。

ヒツジはまだ刺されたことがないそうですが、知人の悲惨な姿を幾つも見ている。

ニッパーとフォーク(食器の)を使って慎重に外していきます。

「やっぱ、夜行玉は外そうかなあ」とかブツブツブツ。光玉は魚にもケムシにも効く。

それも次第に根気が失せてきたらしく、午前2時にナイターの部は終了。車中で爆睡。


コケコッコーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

朝6時より釣り再開、農道橋が全貌を現しました。

ウミケムシにエサを食べられてたまるかと、必死にサビき続けます。

仕掛けを、しばらく停めたが最後、ウミケムシの餌食になってしまう。

ヒツジはウミケムシに慣れていますが、私はゼッタイに嫌だ。

そこへ、強い風が海峡筋を吹き抜けてくる。

風が止んだら、今度はみぞれ雨が落ちて来る。

冬の北陸らしい、スパルタンな洗礼を浴びること、でもこれは北陸を満喫すること?

谷村新司さんの歌う『北陸ロマン』を口ずさんでみたり。オトナの北陸?


釣り場の後ろは水田、冬ですが水を張っています。

風波によって運ばれる潮、塩害に対する手段らしいです。

長いこと、半農半漁で営まれてきた能登島を含む能登内浦・外浦の暮らしの知恵。

そして、ここで一旦蓄えられた水が土の滋養とともに海へ流れる。

キスやカレイ(おもにイシガレイ)は、その産物なのだとヒツジは言います。


ブルっときたぁー、重かった、でかい。

サビき続けた執念の果て? お恵み? 慰め? 大本命様!

太平洋側・東シナ海側ではカワハギが大本命様ですが、やっぱりこの方でしょう。

全国一律のいい感じ、投げ釣りのスーパースター。

ああ、なんか、夜中から始めて救われたような気持ち、鮮烈、冬の稲妻かな。

やっぱり、谷村新司さん。


ちょっぴりスリムボディでした。

産卵が終わって、これから春、初夏へ向けてすこしづつ体格と体調を整えていく。

掛けてしまって、ごめん。でもうれしい。

これも全国一律、キスを追いかけている方々の共通する想いなのかなと。


ああっ。

掛かってしまった。なんかヘン。重い。ウミケムシでなければいいな。

水面に現れたのは、小型のマコガレイ。飛びついたような感覚でした。

産卵が終わって、かなり痩せてました。


憎まれっ子、世にはばかる!

ヒツジは、ウミケムシ釣りの名人だと思います。

コロコロとよく肥えたウミケムシだこと、身体をU字に曲げて反抗しようとする。

ちなみに、ヒツジの知人で、怖い毛(剛毛・毒針)をすべて切り落として投げ返した。

するとカレイやマハゼが釣れたということです。

これら毒針は、魚たちから身を守る防護策かもしれませんね。


護岸にしつらえかれた木製の箱の台。

水鳥たちへのエサ箱の台かと思っていましたが、あながち外れていなかった。

溜まった水のなかには、毛(剛毛・毒針)だけが残されたウミケムシたちの死骸。

ヒツジ曰く、掛かったウミケムシをここに入れておく→釣り人が帰ったあと、鳥たちがつつついて食べる。毛も毒針も、鳥の足爪には刺さらない。つまり鳥葬ですね。

あ。トリ年ならではの、水辺のトリ様へのご馳走テーブルということ?(すべて推察)


今回、ヒツジがいちばん気がかりだったという事案。

護岸に生えるホンダワラの帯が脆弱、ほとんど成長していない。

温暖化? 水質の変化? 根がかりしなくてラクでしたが、そんな問題ではない?

そういえば、能登島名物のナマコ漁。

2012年の時は、護岸のぎりぎりまでやってきて半泣きでしたが、一度も来ない。

なにかマズイことが起きていなければいいのですが。とにかく。

大本命様が掛かったことだしと、島内の南側、七尾南湾側へ移動。


能登島町佐波港の埠頭。

ヒツジが子どもの頃は、この佐波港が、半島と島とを結ぶフェリーの玄関口だったそう。

埠頭はその後の埋め立てによって作られたもので、作業は年末年始でお休み。

ちこっとお邪魔しての投げ釣り。


よしっ!

美しいロングボディに出会うこと、ふたたび。

やっぱりいい、キスはいい、それも目指して掛かると、もっといい。大きいのがいい。

いま、私には、ふたりの大本命様がいると思うのです。

シロギスか、カワハギか。

この、どちらもイイと(掛かるとしあわせ)という目的があるのはしあわせ。


あ。

この子が飛びついてきた。口吻がビヨーンと伸びる面白い子。

能登内浦には多く生息していて、地元での呼び名はギンダイ。

どこがタイや!とつっこみたくなりますが、石川県の呼び名は直感的で気に入ってます。

川に入ってくればカワダイ(クロダイ・チヌ)

川に入ってきたからカワギス(マハゼ)

川や沼で暮らしているからカワガレイ(ヌマガレイ)

体表がギンギラだから(ヌルヌルですが)ギンダイ(ヒイラギ)

浦に福をもたらすから福来魚フクラギ(ブリの若魚。関東ではイナダぐらい)

そんなことで、なんとなく納得して、竿を片づけました。

大本命様を見た。夜中から釣りをしたので、もういいかなという気持ちです。


ほら。

竿を片付けた瞬間から天候が回復しました。

これは法則のようなもので、竿を出そうとしたら雨風の嵐、納めたらぽかぽかと春風。

海の神様、わだつみ様はきっといらっしゃると私は思うのです。

能登島の最南端から富山湾側を見下ろした風景、対岸の遠くは立山連峰。

手前の船たちは、全国的に有名な大型定置網の調整の作業をしているようでした。

いまは、寒ブリ漁の真っ盛りです。


能登島大橋で七尾市街側へ戻り、大型定置網で有名な庵町の港へ。

朝の鉄火場を終えてつながれた船たちはのんびりぷかぷかと浮かんでいました。

対岸に居るメインの船たちと手前が獲った魚たちの運搬船。

早朝の漁場の光景はテレビでしか見たことがありませんが、現物を目のあたりにすると、

男たちの苛烈な漁場の映像が思い起こされてきます。


能登ぶり、氷見ぶり、つまりは、日本海スーパー本ぶり。

全国市場でつねに注目される寒ブリを捕らえる網の一ヵ統(1セット)は5億円以上。

冷海水を作るタンク装置、海水シャーベットによる沖〆め、人員1チーム50人以上。

物凄いお金がかかっているんですね、能登と氷見の寒ブリに賭ける意地は人知を超えて。

釣りをおさめて、ふらっと寄ってみた港で、思わずびっくりしてしまう。

オトナになっても、社会科見学は必要だな、いえいえ、オトナだから感動するのか。


人体の〆めは近隣、和倉温泉の総湯。

なんじゃこりゃあああああ!!!

これが、総湯・元湯の普請、ヒツジによると最近建て替えたとか。入浴料440円。

全国でも指折りの超豪華さを誇る和倉温泉ですが、『銭湯』までもこうきたか!

館内には、和倉温泉の長い歴史を解説する博物館的な要素も併設されていました。

潮湯、熱くて、濃くて、ドカーンと効く。口に含んだらドしょっぱい。でも。

疲れとれる、疲れとれる、疲れとれる。いやあ、さすが歴史の潮湯、疲れとれる。

上がり湯に潮湯をかけてもベタつかない不思議な泉質の潮湯。

ふにゃふにゃになった身体で、なんとか金沢市内へ向かった次第でした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜