2016年7月20日水曜日

新潟北端の土地・村上市へ

海の日の連休を利用して、村上へ行ってきました。


新潟駅から、羽越線の特急いなほに乗り換える。

オレンジとタマゴ色の車体は、日本海に沈む夕陽をイメージしているそうですが、

あいにく、空は雨模様。

北へ向かう情感にはあふれています。


発車まで余裕があったため、駅そば、ホームそば。名前は越後庵。

名代を謳う岩ノリそばを食べてみました。

磯の匂い、岩ノリの香味がツユには合ってます。

これは、発見!


村上行き、第一義の目的はお墓参り。

ヒツジ(釣り執事)の早世した友人のIさんが眠っています。

Iさんは、ヒツジが40代になってから知り合った人で、意気投合。

仕事に一辺倒で、会社の経営者だったIさんでしたが、やがて釣りにのめりこんだそう。

お互いに異業種だったから、歯に衣を着せず話せた、、、とヒツジ。

しかし、おつきあいは、3年に満たなかったのです。

故郷村上に眠るIさん。

城跡から続く山肌の傾斜に、菩提のお寺がありました。


境内には、紫陽花が雨のしずくを落としていました。

村上市は、北緯が38度より北側。

東京では花びらを落とした紫陽花も、まだふっくらと咲いていました。


お墓参りを終えて、ひとまず、こころの区切り。

駅前で借りたクルマで、市街地を散策。

小藩の城下町として栄えて、いまもその風情が色濃くのこっています。

商家や町家のたたづまい、町名から解る街の歴史。

こじんまりしているからこそ、伝わるものが大きい村上。


浜辺へ出てみると、砂地にはハマナスの実。

これから、より赤くなっていくのでしょうか。


村上といえば、三面川(みおもてがわ)

リュックからパックロッドを取り出して、投げてみました。

結局、釣りか!!! と突っ込まれそうですが、

釣りも、好きだったIさんへの供養という自己完結として。

雨は、いつの間にか上がっていました。


ゴクン、ゴクン、ゴクン。

海側に投げると、クジメが掛かってきました。


川側へ投げると、すぐ、エサがない。

そして、針が、ない時も。

案の定、この方は元気いっぱい。

まわりの釣り人たちは、ルアーを投げてスズキを狙っていました。


三面川の河口から、やや南にさがって岩船港。

日没が近づいていましたが、ひと振りを。


プルプルプルプル。

マハゼでした。それも、サイズが大きい。太っている。

岩船港は、河口につくられていました。

ヒツジの三段論法。

川が太っている。海水と混じって栄養がある。マハゼが太る。

なのだ、そうです。

1日目を終了。


素泊まりで投宿。

近隣の居酒屋さんにて、塩引き鮭をいただく。

じつは、私、村上といえば、塩引き鮭。

北関東クチには、しょっぱくて、思わず口中に湧くイメージいっぱいの魅力の逸品。

村上、ムラカミ、鮭の街、鮭の川、三面川、塩引き鮭。

イメージにたがわぬ、しょっぱさ、うまし、あっさり感、納得いたしました。


シメでいただいた魚だしの岩ノリラーメン。

岩ノリづいてしまっています。

出汁は、白身の魚からとったものとか。うまし、でした。

このお店、入ってから知ったことですが、

ソチオリンピックで銀メダルを獲ったスノボ少年のお父さんがやっていらっしゃるとか。

スノーボードの街でもあった、村上市。

城下町に、斬新な息吹があったりするのです。


翌朝。

三面川の上流側を、覗いてみる。

鮭の川は、鮭が来るまで、鮎の川。

山形県との県境、朝日岳から流れでてくる水量に圧倒されます。

雨の後でやや濁っていましたが、鮎釣りの模様をしばし見学。

天候も、回復してきたので、日本海側を北へ走ってみました。


国道と並走する羽越線。

海岸線のぎりぎりまで山肌がせまり、道路と線路が寄り添います。

車窓から、通る汽車を眺めたり、、、。

これは、貨物列車。


昨日、乗ってきた、いなほ号。

お客さんが、窓越し日本海に見入っている様子が窺えます。


さすがは、米どころ。

お椀が描かれた汽車が走っていたり。

しかし、ヒツジよ、気をつけんとね。

汽車が来るたびにハザードを出して停まっていては、

後ろのクルマが、パニックになる。

さっきの、運転していたおねえさんは、怒ってたよ。

周囲は、海水浴シーズン、国道はクルマの列、列、列。


景勝地として名高い笹川流れ。

海の日ですから、

砂浜から投げ釣りをしている人もたくさん居ました。

駐車スペースは、海水浴のクルマ、張られたテントでどこもいっぱい。


道の凹みを見つけて、なんとかハザード停車。

クーラーを覗かせてもらったら、キスが釣れていました。

「7月らしいキスだ」と、ヒツジは絶賛。

ゴロっと張りがあり、とても元気なのが、7月のキス、とか。


美しい砂浜には、必ず、朝日連峰からの川水が流れこんでいました。

ヒツジの三段論法その2

川が太っている、砂浜も太っている、キスも太ってくる。

なのだそう。

とどまりたいのは、やまやまですが、

ハザード停車のまま、釣りをするワケにもいかず。


村上市街側へ戻った、のがた海水浴場。

環状につくられた護岸があったため、ちこっと竿を振る。

よく晴れてきました。

夏の陽射し、7月の陽射し。


ゴンゴン、っとアタってくるのは、この方。

レッドアイ、の、ヒガングーフ。

あ、また、この方との季節がやってきたのだ。

妙に、感慨深くなる日本海の夏かな。


せっかくの、青空。

今日こそ、シーズン初泳ぎ。

勇み立って海へ。マスクとシュノーケルを持って入ってみました。

ところが、おりしも北風が吹いてきまして。

浮き輪で遊んでいた子どもたちが、浜辺へあがるほど寒い。参りました。

思案のしどころ、決断の決するところ。

顔をつける、泳ぎ出す、、、その勇気が、なかなか、これが。

日本海の水は温かいのですが、風はやっぱり涼しい。


結果、顔を水につけることなく、社会科見学に変更。

「イヤボヤ会館」へ向かいました。

イヤボヤ、とは、村上の方言で、魚のなかの魚。

魚のなかの魚とは、鮭だということです。

世界で初めて、鮭の河川回帰習性を発見して、人工受精を行った村上。

それが、江戸時代の後期という先進性が、注目されています。

「イヤボヤ会館」という名前のとおり、その歴史や仕組みを知る学習館。


冬の風物詩ともいえる、寒干しの展示。

お腹の2カ所を枝木で広げて、よりよい風通しを促す。


秀逸だったのは、三面川の種川のそのものが、地下の観察窓になっていたこと。

鮭の遡上の様子をライブで見ることができるという迫力のガラス窓でした。

この日、濁った水に泳いでいたのは、ウグイの群れやゴリの仲間でしたが、

シーズンともなると、ここを、戻ってきた本物の鮭が、、、、。


ブナの樹の茂る朝日連峰から流れる三面川。

河口の街・村上に、鮭が戻るのは10月の下旬頃からとか。

その魚体には、まるでブナのような紋様が現れている。

長い旅のラストの姿を想像しながら、つい、いつもの一筆↓ こじつけ。


短い滞在ながら、充実の村上。

故郷村上に眠るIさん、ありがとうございます。また、伺いますね。

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