2016年1月24日日曜日

津軽釣女

しばし、ご無沙汰の津軽の海。あの食堂を目指して、相変わらずの超特急な旅へ。


到着した新青森駅にて。

はやぶさ号に軽く触れてみる。

東京でいつも見ている姿だけど、広いみちのく路に出たら、320㎞/hで走るボディ。

仕事が終わり、大宮から飛び乗った私を、まるでワープするように津軽の地へ。


翌朝。

青森市内から国道280号線を北上。

運よく、青空が出ておりまして、気持ちは逸るのであります。

ガシガシガシと積雪の路面を踏みしめる冬用タイヤ。

また来てしまった! 津軽。

行かないと、ガマンできなくなってくる、津軽。

道路脇の温度計には、−3の表示。


蟹田町にて、津軽線の踏切を渡る。

カーブする雪のレールのむこうに見える陸奥湾。

よしっ!!!


案内板、中央に目が行きました。

「ウエル蟹」ですよ。

カニカニ、エブリバディ!!!


蟹田港内には、フェリーが停泊。

2年前の秋、下北の脇野沢からこの蟹田へ、この船に乗りました。とても便利でした。

冬なので運休中。冬でも運行していると解れば、みんな乗るのに。もったいない。

クルーの方が、屋根の? 雪下ろしをしていました。


蟹田港の右側にある蟹田川河口の堤防。

イソメをたっぷりつけて投げました。

ところが、釣りを始めようとすると、みるみる天候がオカシクなってくる。

おなじみの、釣りのジンクスが、早くもやってきました。


新沼謙治さんが歌う『津軽恋女』が好きです。

とくに、津軽に降る雪の種類を、たたみかけるように繰り返すサビの部分。

私はここを、♪このエサ、この場所、まっすぐ、斜めよぉーーっと、歌ってましたが。

歌のサビ。投げ釣りもサビく。ところが、、、、。

いっこうに、反応がありません。もちろん覚悟はしてました。


まあっっっっったく、反応なく、そのまま戻ってくるイソメ、の連続。

だらぁ〜〜〜〜〜っとなって、伸びてるし、、、仮死状態?

齧られた形跡など、ひとつもなく、だらぁ〜〜〜〜〜〜っと、伸びてるだけ。

魚の反応を祈願、小さな雪だるまなど作ってみました。


川のなかへも投げてみました。

昨年の初夏、小さいけど、イシガレイとマコガレイが釣れました。↓ご参照。

http://macobusa.blogspot.jp/2015/06/blog-post_17.html

でも、いまは冬。あれは、夢物語だったのか。いまは冬、大寒、体感。

川面を雪をともなって吹き晒してくる風の冷たいこと!!!

私の田舎にも、赤城おろし、という、こめかみがオカシクなるおろし風はあります。

津軽のおろし、は、そこへ、雪を加えて、しつこい感じが、しますね。

だんだん、腹が立ってくるほどの、さむし! つめたし! 


同行したヒツジ=釣り執事も、最初は頑張ってました。

しかし、次第に、置き竿になって、そのへんを動き回るだけのヒツジ。

こうなると、はなっから、駄目、あきらめていたフシさえあるヒツジの置き竿と私の竿。

容赦なく、津軽半島の背稜を超えた風と雪が、吹きおろしてきます。一句。

雪風に 寄り添う竿は 揺れるのみ まこぶさ吟。


あそこなら、風を防げるかも?

ということで、港の灯台の脇へ移動。

確かに、灯台が、風の楯にはなって、うまい位置に居れば風は避けられた。

ここでも、巻くたびに、だらぁ〜〜〜〜〜っとなったイソメを外して、つけ換える。

黙々と繰り返す。

灯台の風裏のおかげで、少々は粘れます。

河口より水深があり、期待はできる、はず? とヒツジ。

昨年の初夏、小さいですけど、マコガレイが釣れました。


これは、なにか?

灯台のたもとに置かれていた、木製の構造物。

堤防のヘリに置いて、撮ってみました。

おそらく、常連の方の竿掛けではないだろうか。

ということで、堤防のたもとに戻しました(定位置)

こうした、釣り人の痕跡があると、ちょっと嬉しくなる寒風のなか。


ヒツジの手袋。

私の妹から貰ったもの。ケベック製?

脱着式のカバーがあり、外すと指先が現れて、釣りの作業ができる。

雪風のなかでは、そこそこ活躍していたようです。

しっかし、魚の気配は、まっっっっっっっっっったく、ありません。

先週の、うみかぜ公園、キスやグーフの活躍が、懐かしく。ここは、津軽。


港内側へも投げ込んでみる。

どこかに、酔狂な魚が逗留しているかもしれません。

酔狂を引き当てるのが、酔狂。

こうなりゃ、グーフ、でもいい!!!

空は、雪風が、降ったり、止んだり。


対岸の、下北側も、海辺の崖はみな雪を被っています。

私が背後にしている津軽のおろし風は、むこうでは、真正面ですね。

キツかろうね、きつか、きびしか、飢餓海峡たいね。

とか、思ってるうちに、津軽海峡側より、いきなりの突風。アラレも落ちてきて。

さすがに、限界になってきてました。時刻は13時前。

耐えて、粘って、もういいんじゃない、の心境。

完全不毛の丸ボウズが、決定です。


蟹田港から国道280号線をさらに北上。

今回の主目的へと、辿り着きました。

平舘後田港の根元にある食堂。

いつも停める裏の駐車場はまさに津軽の冬でした。


引き戸をあけて、暖簾をくぐる。

青森へ行く、津軽へ来る、津軽半島外ケ浜、平舘。ここへ辿り着くために、、、、。

お店の前や道路は、しっかり除雪されていました。

ドキドキしながら、引き戸を開けるのです。


中央がマスター。

左側が、とても仲のいいご近所さん(除雪作業の合間に立ち寄り&談話休憩)

で、私は、椅子にドッカと腰を下ろして、こうなるワケです。

あっ、その、のっけから用意される液体の数々の、さし示す意味とは?

そんな、昼間から、ええっ、まだお昼、、そんなあ、、、津軽スタイルの開始?

私の、望んでいたカタチ、、なのですが、すみません。


津軽・平舘、朝獲れのヤリイカ。

岩塩の上に軽くのせたあと、いただく。

コリっコリ。ブリッブリ。そしてやがて、ほのかな甘みが口中に広がっていく。

うまし! うまし! うまし! うまし! うまし!

数々の、液体も加わり、、、そんなあ、、、うまし! うまし! うまし!



カウンター奥の厨房から、ママが矢継ぎ早のお料理を繰り出してくる。

ヤリイカのゲソとワカメの酢の物。

地産地消100%の津軽半島の実力。

うまし! うまし! うまし! うまし! うまし!


ヤリイカは、細かくされて、さつま揚げ風にも変身。

津軽のヤリイカは、やっぱり、ひと味違います。

気温、水温、潮の加減? コリっコリなのに、味がじわりと。

これは、ママの手腕なのでしょうね。

その上にあるのは、ダイコン漬けを高菜できつく包んだ、お漬け物。

うまし!!!!!! 津軽人が、これで、とことん、飲ってしまいそうな、うまし!


津軽イカづくしか! と思いきや、今度は鍋物。

タラの身、白子、お豆腐、長ネギの入った、じゃっぱ汁。

これも、津軽の、じゃっぱ汁。

うまし! うま過ぎる! うまし! 冷えた身体に沁みてくる。うまし!

丸ボウズの私が、こんなうまいものを食べていいものかと申し訳ないほど。

うまし! なんでありました。


ママ(中央)が混じっての、釣り談義。

おふたりは、クロダイ釣りの大ベテラン。

北のクロダイ師は、とにかく、ひと味違うそうですが、もうこのあたりから、、、、。

いただいた、お料理と、素敵な色彩の液体の数々によって、私の冷えた身体は沸騰。

アタマは、真っ白になってきていたわけであります。ありがとうございます。

外が浜町 平舘 『浜乃食堂』 ブログはこちら↓

               http://hamanoshokudou.blog.fc2.com


食堂を辞して、新青森駅へ向かう。

向かう、といっても、運転しているのはシラフのヒツジ。

雪が急激に強くなり、帰りの新幹線が心配になった(と、あとで聞く)

スノーラリーのようなシーンもあったそう(助手席で気絶してたので知らん)


それでも、途中の蟹田駅。

思わず、立ち寄ってしまったというヒツジ。

運よく、特急白鳥を見ることができたそうです。ものすごく運よく。

跨線橋を駆け上がり、なんとか撮った一枚、とか。

これが、最後の姿なのだそうです。


というのは、3月26日。

いよいよ、北海道新幹線の開業です。

新青森駅から、津軽半島を駈けて、海底トンネル、北海道へ。

新幹線がつながると、消えてしまう列車のひとつが、白鳥。

そうでしたか、新しい時代に対して、惜しむ心が、また人のこころ。


正気に戻ったのは、はやぶさ号の車内。

浜乃食堂でいただいたおみやげ、弘前のりんごを置いてみました。

雪の津軽と、まっかな林檎。

また、行こう、また、行きたい。

そう思わせるのが、旅、、、、、、いつもそう思う、津軽であります。

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