2013年9月2日月曜日

ぜんぶある金沢、C調グルメでいってみよ〜〜。


高知から戻って3日目。ヒジが痛くてたまらない。ここ数ヶ月ずっと痛くて気になっていたのですが、ピークに達した。

『これはオカシイ。なにか嫌な病気ではなかろうか』

仕事帰りに遅くまでやっている整形外科を訪ねる。レントゲンを撮り終えて診察室に呼ばれた緊張の一瞬。医師はポツリと言った。

「テニス肘ですね」


以下、私との会話。


「テニスはムカシやってましたがいまはやってません」
「ではゴルフ三昧でしょう?」
「ゴルフは一度もやったことないです」
「うーん。本当ですか? ま、とにかく、しばらくスポーツなどは控えてください」

両肘に処方箋で出されたロ○ソ○ン湿布を張りながら思った。言うべきだったのだろうか。

「3日間、投げ竿を振り続けてました」と。

ということで、晩夏の釣りをちこっとお休みすることにしました。


金沢へ行きました。仕事を終えて新幹線と特急を乗り継げば4時間弱。今回は肘痛を考慮して釣り竿や道具を持っていない。釣りができないのなら、市街沿線の物見遊山でも。
金沢駅に着いた途端に飛び込んだのは、まず駅そば。

白山そば、なのでした。
 

かつて、白山そばは、金沢駅の限られたホームにだけ存在するお店だったそう。いまは駅内形式になり、玄関口の名物なのだそう。食券スタイルでした。そわそわして待つ私。


富山湾でとれる白エビがかき揚げにはいった天ぷらのせを注文。

透明に近いスープは関西風というか、うどんが主軸のご当地を意識します。加賀うどん、金沢うどんと呼ばれているそう。薄い塩味とは対称的濃厚な昆布出汁は圧巻。ちなみにお隣の富山では、立山そばがホームにあります。

駅そば、スタンドそばは、名山の名前をつけるのでしょうか。関東ではフジがありますもんね。

後をひく昆布の激しさよ。麺は生の太麺。ムカシは細麺だったそう。時代の嗜好とともに駅そばも変わってきているのでしょうか。

白エビのかき揚げ天は適度なまとまり感とバラけ具合。揚げ系はこのバラけ感も大切かなと思います。バラけ過ぎは嫌だけど。



駅を離れて北へちこっと走ると広大な平野が広がりました。河北潟を中心とした大規模な田園地帯。こちらのお米は早場米で8月下旬で刈入れ直前の状態。

また加賀野菜と呼ばれる独創的なレンコンやキュウリ、ナス、スイカ、金時など、なんでも採れるそうです。


金沢カレー。

東京へも進出しているご当地カレー。銀の器、ドロリとした茶色いルーにキャベツとトッピングのハーモニー。市内でもよく見かけました。



で、その東京へ進出しているお店の本店を通過。


金沢カレーには、複数の著名店が存在し、こちらもルーツを謳うチェーン店。


クルマで一気に高館まで上ってみました。

医王山と書いていおうぜん。山をゼンと呼びます。医の王様。標高939m。名水を育むそう。なんかいいなあ。下界の暑さが薄らぎ、いい風が吹いていました。

見下ろしているのは、富山県側。眼下にはスキー場、麓は砺波平野へ続く扇状地。


高度を下げると渓流。市街からほんのちょっと入ればこんな川が流れています。


うん、そうですね。山、川、平野、みんなの宝物なのです。まっっっっったく、同感!


加賀平野で採れた白菜だけで食べる隠れた名物がとり野菜。

にんにくの効いた独特な味噌で地鶏とともに煮立てていき、煮沸したらそのまま食べる。これが、うまし!

考案されたのは北前船の頃。船乗りたちの健康を考えた船内の食事だったとか。

地産地消にして、うましー&ヘルシーで、いくらでも食べられる。うまし!



このお店、石川県内だけに展開しているドライブイン形式のスタンド店。24時間営業のお店もあって、とっても素敵なのです。なんせ、充実の食品ラインナップ。


食事スペースのほかに、おかず、飲みもの、おやつ、コンビニ要素を充実。


ここでは、天ぷらのせをいってしまいました。

巨大な揚げの中心にエビ天がくっついている。豪快であります。しかし巨大な揚げは次第に分解していきまして、大量のたぬきそばを食べているよう。

UFOの描かれたナルトの意味を、今度、店員さんに聞いてみたいと思います。




走っていて、よく見かけるのが、かわいいバス停留所の標識。この丸いカンバン、ムカシはたくさん見かけたのですが、日本の風景によく馴染んでいると思うのです。


こちらはJRバス。なんだか、しげしげと見つめてしまう丸くて可愛い標識のたたづまい。


カレーと並んでよく見かけるのが、回転寿司のお店。なんでも回転するあの機械を考案し製作、パテントを持つのが金沢のふたつの企業とか。

いまや世界中にある回転寿司。食をいざなう発明はとても大きなものがありますね。


カレー店、回転寿司以上によく見かけるのが、焼肉屋さん。大型店からこぢんまりしたホルモン焼き屋さんまで、市内のあちこちに現れます。もの凄い焼肉率!!!

回転寿司、焼肉、カレーが、金沢の人気大衆外食だそうですが、それを担ってきたのが金沢の大学に通う学生さんたち。

金沢は、かつては加賀百万石の城下町、現在は日本海側きっての大学城下町と呼ばれているそうです。とにかく、学生さんの住みやすい街とか。冬に降雪はありますが、ゲレンデも近くにありまして。

若ウケする食べ物が大衆外食の文化の中心になっているワケでありまして、もうひとつ忘れていけないのがこちら↓


金沢の大学生で、このギョーザを食べたことのない人はモグリとまで言われるギョーザ。

大学生に限らず、高校生、中学生、小学生、いやオトナになっても食べ続けられているというギョーザ。大手の餃子チェーン店が並びに進出してきてもまっっったく揺らぐことのない人気は『第七帝国』とまで呼び習わされているというギョーザ。

ギョーザひとつでお店を巨大なビルにのし上げ多大な雇用まで担うギョーザ。

風合い、味については、私のような一見が、まだコメントできないほどのギョーザ。


若者の食文化に押されて、消えていった金沢ならではの食もあるようです。

ごりを食べる。ゴリとは魚のゴリちゃんです。城下町の伝統の味だったそう。こちらの料亭は長くその専門のお店だったのが、いまは閉められてひっそりしてました。

ゴリを調理して食べる文化は、金沢と高知だけなのだそう。いまでは希少な食として市内の割烹や料亭では、そこそこのお値段で出されているそう。


消えつつあるというのは、この、ドジョウの蒲焼きも同じか。

これを金沢に伝えたのは長崎・浦上のキリシタンたちだそうです。明治の初期、長崎のキリシタンたちが金沢の卯辰山に幽閉され、夜な夜な浅野川で獲ったドジョウでこの蒲焼きを作って栄養を得ていたとされています。

長崎と金沢が、このひと串でつながっているような。加賀藩の前田家はかつて高山右近のようなキリシタン大名をかくまったことで有名。高山右近に金銀財宝や付き人たちとともに船にのせてマニラへ逃がした太っ腹な家風があります。

1本買って食べてみたところ、ホロ苦さと香味の絶妙なバランス、うまし!でした。これも現在は、鮮魚店、専門店で買うか、割烹、料亭の味になりつつあるようでして。


食べてばかりなので、ふたたび医王山に上り、中腹付近の池に向かう。

金沢市民の隠れた癒しの場とかで、その目玉がこのお池の住人たちなのです。


エサを投げると、みなさん、大喜び。待ってましたぁーーーーーっ、状態。

コイ、錦鯉、鮒たちが燃えております。カメもいますが、魚たちに押され気味。

なかに、キンちゃんと呼ばれる金色の鯉がいまして、そのキンちゃんにエサを食べさせられたら願いが叶うとのこと。ところが、そのキンちゃん、以前に訪れた時には1尾だったのに、2尾ほど小さいのが増えている。

キンちゃんジュニアか? ところがそのジュニアときたらまことに食が細く他のでかい真鯉などに押しのけられて、ひと口も食べられない! なんとかキンちゃんジュニアにパンを。

より分け作戦を考案。一カ所に集中してエサを巻き強い真鯉たちを集めておき、遠目で見ているキンちゃんジュニアにパンを投げる。なんとか3度は成功しました。


無我夢中でパンを投げ続けた私。ヒジ痛が再燃。釣りをしなくても意味がないじゃん。


海に出てみました。カンカン照りのなかでみなさん、がんばっています。金沢港中州。


こちらは金沢港からやや北上した内灘海岸の河北潟放水路防波堤。

キス、シマダイ、アジ、ハゼなどがよく釣れていました。ヒジは痛いけど、持ってくればよかった釣り竿を。日差しを浴びながら口惜しい想いをする私。




帰り際、金沢駅の白山そばにふたたび立ち寄る。今度は通常のかき揚げのせ。加賀野菜がたっぷり絡んでいます。

赤いナルト巻きは、はべんと呼ぶそう。金沢を中心に石川や富山の特徴的な飾りナルト。

今回は駅の白山そばを皮切りに、走っては食べるの、釣りとはまた違ったスパルタンな道中になってしまった次第。



金沢駅の近隣には、2015年に開業の北陸新幹線の姿がありました。

海、山、川、平野、雪。そこからもたらされる幸の恵み多いこの土地ですが、唯一なかったもの。それが『新幹線』なのだそうです。

開業のあかつきには、東京〜金沢が2時間30分。他に在来鉄道、高速道路や航空便も発達しているこの地に、新幹線はなにを、どう変えてしまうのか。

ビジターの私ですが、期待と不安がないまぜの気持ちで開業の日を待っています。

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