2013年8月26日月曜日

真夏の土佐日記4 帰京してからの思い出しこぼれ話

お風呂に入らずさまよった高知県西南部の3日間。いま一度の写真を見直しまして。
真夏の土佐日記の1〜3で書き漏らしたことを、書いてみたくなりました土佐。


1日目。高速道路を降りて国道56号線ぞいに現れた伊与木川。子どもたちが岩からがんがん飛び込んでいて、私の子どもの頃の長瀞や寄居を思い出しました。

四万十川もそうなのでしょうけれど、おとなが「危ないからやめろ」ということを子どもは絶対にやりたがる。なかには、川面に張り出した竹にぶら下がり、その反動力を使って遠くへ飛んでいってアタマから飛び込む子どももいました。

好奇心や冒険心。子どもは素敵ですね、そういう光景の残る(残す?)高知県の残された自然の懐ろの広さを感じました。関西から来られた家族の親御さんたちは、声を張り上げて阻止していましたけど、子どもたちは止めない。

誰も止まらないですね、こんな美しくて大きな川を見ると。


1日目。到達した四万十川の河口の東側に広がる海岸。パパと娘さんのふたりが泳ぐだけ。貸し切り状態でした。まわりには京阪神、中京、関東からのナンバーのクルマがどっさり走っているのに、ふたりしか泳いでいない。

「なぜだ?」「こんなに暑いのに」

考え込んでしまいましたが、投げ釣りをしてみたらよく解りました。ドン深。すぐに深くなる。あっと言う間に足を盗られる深さ。潮のチカラも凄い。

でも浮き輪やバナナボートさえあれば、こんなに面白い砂浜はないのに。

と、幼少の頃、群馬県の「かっぱぴあ」であっけなく溺れて母に救出された海なし県生まれの私はしみじみと、まことに遠い日の忌まわしい記憶を思い起こしたのであります。

私にも、浮き輪があればサイコーの砂浜。


1日目の夜。衝動的に入ってしまった旧中村市街のお店を2日目の翌朝明るくなってから通ってみて感じたこと。

素敵だ。理想的な焼肉屋さん。燃えた。惹かれた外観。ところが、お店のなかはリフォームがなされてとても清潔かつオシャレ。

やられた!!! と思いました。お肉も調理も素晴らしく、うまし! うまし! うまし! うまし! 冷麺も、うまし! うまし! うまし!

東京でもなかなかお目にかかれないお肉の選別と味付けの妙たるところ。旧中村市という場所からたくさんの知人が上京されて活躍されていますが、このお店、凄い!!!

と宣伝したくなってしまった次第。


2日目。高知県西南の突端部の都市、宿毛市・宿毛湾での投げ釣り。

とても元気なシロギスが飛び掛かってくれましたが、河口の内湾に干潟の露出する自然の港。すぐ背後には私も時々お世話になっている「ファッションセンターし○む○」さんなどの大型量販店が進出。

にもかかわらず、自然海岸の姿をきちんと残している宿毛という街のみなさまに、深い敬意を感じてしまった次第なのです。


2日目。その宿毛市の道の駅で見かけた仔猫。

両目が見えず、鼻も効かない。もう絶望的な状況に、魚肉ソーセージをごく小さく千切って口に押当てては食べさせたのですけど、あれからどうしたものか。

耳は大きく、聴覚は研ぎすまされて、反応はしっかりしているので、きっと利口な仔猫。

宿毛の道の駅のシンボルになってくれればと、旅行者の私は勝手な願望を書き連ねるしかないのでして。


2日目。わざわざ戻ってきて夜釣りまで粘った大月町の一切(いっさい)の港。

夕刻、訪れた時、たまたま地元の方が巨大なアオリイカを取り逃がすシーンに出くわしてしまった。

その後、その方は、早く釣りをしたいあまりにクルマのライト点けっぱなしで釣りをしていたことがバッテリー上がりにより判明。おまけに携帯電話を忘れてこられた。

踏んだり蹴ったり。万事休す。公衆電話のない小さな港では命取り。夕刻なので仲間は帰られて誰もいない。

こちらにみえられて、私が携帯電話をお貸しする。なんせこちらもレンタカーなのでブースターケーブルが積まれていない。近隣のご親戚に連絡をとりなんとか事なきを得たのでした。しばらくして、救援のクルマがやってきて胸をなでおろしたオジサンと私。

そのオジサン、ポイントや釣り方も教えてくださり、とてもいい方。黒潮の似合ういい男だったし。そしてなにより。

高知らしい、クルマのライトスイッチも切り忘れるほど集中力抜群の釣り人との触れ合いが素敵でした。


2日目。そのオジサンのいた一切の港で、私は軽妙なベラさんを釣る。自称・ベラの女王の意地と執念をオジサンに垣間見せたのでした。エッヘン。


2日目。その一切の港での深夜。

たまたま回収してしまった他の人の仕掛けを見てびっくり。真鯛が死んだままついていました。この仕掛けの持ち主は、おそらくは港に出入りする船に引っかけられて切れてしまったのでしょうけれど、そこに食いついてしまった魚の哀れ。

出来る限り、根掛かりと、船とのトラブルを避けねばとこころに思った次第。この真鯛にはそっと手のひらをあわせました。


ホタル、久しく見てません。しかも今年は猛暑過ぎてホタルまでバテ気味なのだとか。ホタルの飛び交う四万十川の夜の河原を、こころのなかで想像しました。


締めは、やはり、食べ物。その1は四万十町で食べた米豚うどん。

薄口のスープに柔らかい豚バラの脂分が印象的。米豚という名前ですから、お米や稲、籾殻などを食べさせているのでしょうか。

もうちょい豚に歯ごたえを持たせたほうが、このうどんには合うのかな。でも丸3日間のほとんどをコンビニ食でしたので、新鮮においしかったのです。


その2もうどんで、やはり四万十町で食べた川海苔入れうどん。

四国でうどんと言えば讃岐うどんが鉄板。では瀬戸内海の対極にある高知のうどんやそばはどうなのだろう。好奇心の湧くところでしたが、これはかなり直球入ってました。

四万十の川海苔の香ばしさ、独特なえぐみ、野趣あふれるといいますか。
もしかしたら大阪風のガツーンと昆布だしのもっと効いた色の透明に近いスープのほうが川海苔の迫力がでるのかな。

高知の西南部では、立ち喰いそばを見つけられなかったので、つい、うどんばかりに力の入ってしまった次第でした。みんな、うまし! でしたよ。

真夏の土佐日記2013、これにてホントに終了。

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